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「子どもの体験格差を考える 吉野川円卓会議」を開催しました

2026年8月27日(木)、吉野川市山川町の山瀬公民館にて、「子どもの体験格差を考える 吉野川円卓会議」を開催しました。
当日は、教育や子育てに関わる方をはじめ、地域で活動する方、保護者、行政関係者など、50名を超える皆さまにご参加いただきました。

今回のテーマは、「吉野川市山川町における子どもの体験。何が足りないのか、誰とつながるといいのか。子どもの育ちを取り巻く現状と地域資源を確かめる。」
子どもたちを取り巻く環境が大きく変化するなか、「地域の子どもたちに、どんな体験が必要なのか」「すでに地域にある資源をどう生かせるのか」「誰と誰がつながれば、新しい可能性が生まれるのか」を、さまざまな立場から考えました。

「沖縄式円卓会議」とは?

今回は、公益財団法人みらいファンド沖縄などが沖縄で実践してきた「沖縄式円卓会議」の手法で開催しました。
この円卓会議は、参加者みんなでその場で「解決策」を出すことを第一の目的とするものではありません。地域の中で誰かが感じている困りごとや課題を、当事者だけの問題にせず、さまざまな立場の人が同じテーブルにつき、情報や視点を持ち寄り、「地域の課題」として共有することを大切にしています。課題を共有することこそが、次の一歩につながる――そんな考え方を基本としています。
会場も「上座」をつくらず、立場や肩書きに関係なくフラットに参加できるよう円形に配置。ひとつの課題にみんなで向き合う場をつくります。

論点提供「子どもたちの体験と地域のつながり」

最初に論点提供者の原田 真さん(一般社団法人ネイテック吉野川 Product Manager)から、山川町での活動を通して感じている課題が投げかけられました。
地域では「若者がいない」「担い手がいない」という声を耳にする一方、原田さんは、子ども時代に地域でさまざまな体験をし、思い出をつくることが、将来の地域との関係につながっていくのではないかと考えています。

自身が取り組む放課後の活動などを紹介しながら、子どもが自分で考え、やってみて、時には失敗することのできる「自由度のある体験」の大切さを提起。同時に、学校、行政、保護者、地域でさまざまな取り組みが行われているにもかかわらず、それぞれが十分につながっていないこと自体が一つの課題ではないかとの問題提起がありました。

それぞれの立場から見える「子どもの体験」

セッションⅠでは、学童保育、子どもの支援、教育行政、大学、そして地元中学生など、それぞれ異なる立場から情報や意見が寄せられました。
学童保育の現場からは、遊びや行事、地域との交流を通して、子どもたちが人との関わりや社会性を育んでいる様子が紹介されました。一方で、子どもの安全を預かる制度としての責任があるからこそ、学童を利用していない友達や地域の人たちとの自由な交流が難しいという課題も見えてきました。
教育の立場からは、「教育は人なり」という言葉とともに、子どもは先生や仲間だけでなく、地域のさまざまな人との出会いやつながりを通して成長していくことが語られました。また、学校の外だからこそできる体験として、自然や人などの「本物に出会う体験」、そして「失敗できる体験」の大切さが示されました。
また、子どもの「体験格差」は経済的な問題だけではなく、情報が届いているか、地域に体験できる場があるか、そこまでの移動手段があるか、保護者の理解や時間があるかなど、いくつもの要因が重なって生まれることも共有されました。
そして、ただ体験の「場」が用意されていればよいのではなく、子ども自身の「やってみたい」という気持ちを引き出し、その思いを実現できる環境をつくることが大切という視点も示されました。
地元中学生からの率直な声も加わり、大人だけで「子どものために」と考えるのではなく、子ども自身が地域や活動に参加し、自分たちでできる場をつくっていくことについても話が広がりました。

サブセッションは大盛り上がり!

セッションⅠの後は、参加者が3~4人程度の小グループに分かれる「サブセッション」へ。
ここでは、前半の話を聞いて感じたことや疑問、「自分の地域ではどうだろう?」「こんな人とつながればできるかもしれない」といったアイデアを自由に話し合います。円卓を囲んで話を聞くだけだった参加者も、ここでは全員が“話す人”に。会場のあちらこちらで会話が弾み、時間が足りないほどの盛り上がりに!
沖縄式円卓会議では、このサブセッションも大切なプロセスの一つです。参加者自身が話し、考えを持ち寄ることで、誰か一人の課題だったものが、少しずつ「自分たちの地域の課題」へと変わっていきます。

「足りないもの」だけでなく、「すでにあるもの」に気づく

後半のセッションⅡでは、サブセッションで出た意見も踏まえながら、改めて「子どもの体験」について考えました。
話し合いを通して見えてきたのは、山川町には自然や地域行事、学童や学校、地域で活動する人たちなど、すでにたくさんの地域資源があるということ。
一方で、それぞれが個別に頑張っているだけでは届かない子どももいます。「何か新しいものを一からつくらなければ」と考えるだけではなく、今ある場所、人、活動を知り、つなぎ直していくこと。
そして、大人がすべてを準備するのではなく、子どもの「やってみたい」「こんなことがしたい」という声を聞きながら、一緒につくっていくこと。
今回の円卓会議は、そんな地域の可能性を改めて確かめる時間となりました。

50人を超える皆さんと、課題を共有する第一歩に

今回、当初の定員を大きく上回る50名以上の皆さまにお集まりいただきました。子どもに関わる人だけでなく、地域活動、教育、行政などさまざまな立場の人が同じ場に集まり、一つのテーマについて考えること自体が、大きな一歩だったのではないかと思います。
円卓会議は、この場だけで答えを出すための会議ではありません。

「この地域には、こんな課題がある」
「でも、こんな人や場所、活動もある」
「だったら、ここがつながれば何かできるかもしれない」

そんな気づきを一人ひとりが持ち帰り、それぞれの場所で次の小さな動きにつなげていく。その積み重ねが、地域の変化につながっていくのだと思います。

ご参加いただいた皆さま、論点提供者・着席者の皆さま、そして開催にご協力いただいた皆さま、本当にありがとうございました。

次回は11月開催予定!

とくしまコミュニティ財団では、次回の円卓会議を2026年11月に開催予定です。次回は、今回とはテーマを変えて、またさまざまな立場の皆さんと一緒に地域の課題を共有しあいます。詳細は決まり次第お知らせします。
「地域のことを誰かと一緒に考えてみたい」という方、ぜひ次回の円卓会議にもご参加ください!


開催概要

日時:2026年8月27日(木)18:30~21:30
会場:山瀬公民館(吉野川市山川町堤外11-1)
論点提供者:原田 真 氏(一般社団法人ネイテック吉野川 Product Manager)

着席者
木村 美恵子 氏(高越学童おひさま・あおぞら 支援員代表)
尾之上 真友子 氏(道しるべサポート代表)
木屋村 雅信 氏(吉野川市教育委員会 教育長)
田中 義人 氏(鳴門教育大学准教授)
土肥 颯希 氏(地元中学生)

司会進行:平良 斗星 氏(公益財団法人みらいファンド沖縄 副代表理事)
ディレクション:小阪 亘 氏(公益財団法人みらいファンド沖縄 代表理事)
板書記録:宮道 喜一 氏(NPO法人まちなか研究所わくわく 代表理事)

主催:公益財団法人とくしまコミュニティ財団
共催:一般社団法人ネイテック吉野川
後援:吉野川市教育委員会
協力:公益財団法人みらいファンド沖縄、NPO法人まちなか研究所わくわく

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